科研研究2008
研究についての説明
現在私がおこなっている研究が、どのような内容なのか、本当に有意義なのかなど、できるだけ多くの皆さんに知っていただきたいと思っています。そのため、平易な文章でわかりやすく、平成20年度の科学研究費「萌芽研究」についての内容をご説明します。  <平成21年度科研研究報告に関する情報はこちら>
研究代表者
近藤 麻理
研究タイトル
「少子高齢化および情報化社会に対応した『看護ベンチャー』教育プログラムの開発」
研究の背景
「看護ベンチャー」という言葉は、今の日本社会には存在していません。しかし、この研究では、このような新しい言葉を作ってみました。皆さんは、看護学の専門家である私がなぜこのようなビジネスや経営に関心をもち研究することになったのかと疑問をおもちのことと思います。まずは、このような考え方がどこから来たのかをお話したいと思います。
現在の福祉などの事業は、従来型の企業経営者が多く参入しているのが現実でしょう。しかし、本当に企業や経済の論理だけで福祉にかかわる事業が転換できるでしょうか。看護の専門化である看護職が、そこに看護理論を基盤とした経営哲学を打ちたて、広く看護専門職者の“技と知”を社会に生かしたならば、どうなるだろうかと考えました。そして、この社会には女性や看護が新規参入する余地は十分にあると思ったのです。特に、世界経済が行き詰っている、今こそがチャンスではないかと。
少子高齢化に対応し、経済効率の優れた「看護ベンチャー」を、地域住民の生活の場で、人々の健康を守る看護師が起業していくということを、これからの若い学生たちに伝えていきたいと思っています。ただ思うだけではなく、教育カリキュラムを作成するための研究をおこない実際に教育の中に取り入れていくつもりです。
本年は、初年度でもありインタビューや資料収集を進めているところですので、結果が出るのは少し先のことになりますが、皆様にご理解とご協力をいただき、ぜひとも応援していただきたいと思っています。
研究の意義
長い目で見ると、「看護ベンチャー」による起業の発展は、少子高齢化への現在の人材不足と、自宅での療養生活を改善することにつながると思います。さらには、看護を学び、その“技と知”をもつ女性たちが、社会の中で新しいことにチャレンジする機会を提供することにつながると思うのです。